忍者ブログ
色々
2024/05/17/Fri
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

2012/04/19/Thu
「イヴ!」
 突然壁から腕が襲ってくる。
 間一髪、何とか小さな女の子を庇うことが出来た。
 肩に激痛が走り、息が詰まる。居ても立っても居られず、霞む目で薔薇を確認し、無事なことにほっとした。
 だけど、まだ安心はできない。
 イヴの背中を抱きながら廊下を出来るだけ早く通り過ぎる。精神力と体力がじりじり削られていく気がする。
 何とか安全そうな広い場所に逃げ込んだ時には、汗と冷や汗で背中が湿っていた。
「イヴ、大丈夫?」
 荒い呼吸を何とか隠して問いかける。隠しきれていなかったようで、ひどく心配そうな表情になってしまった。
 これ以上心配させないようにとにっこり笑ってみせるが、あまり成功したとは言えないようだ。
 そっと薔薇を目の端で確認する。うん。まだ大丈夫。
  
 
 
「イヴ!」
 ギャリーの鋭い声が聞こえると同時に、広い背中が目の前に飛び出してきた。
 その背中がびくりと揺れ、小さな呻き声が聞こえる。 
 ああ、どうしよう。
 ギャリーの薔薇が散ってしまう……!
 そんな時でもギャリーは私の心配をする。

PR
2012/04/17/Tue
 久しぶりに心が浮き立つ。
 こんなにワクワクすること、大人になってからそうそうないわよねー。
 でも、今日は特別。
 
 例の美術館で出会ったイヴと、久しぶりに会うんだから
「あ、イヴ、こっちよ」
 声とアンバランスなしゃべり方に、周りの人がぎょっとしたような目で振り向く。
 そしてその流れで二度見。
 アタシの見た目かと思うのは自意識過剰かしら。以前はそうだったんだけどねー。
 十中八九、待ち合わせ相手が女の子、それも美少女だから。
 
「どう?」
 にっこり笑って問いかけると、美味しい! とのこと。よかったわ。
 表情の変化はあまりないけど、思い込みかしら? 嬉しそうにみえる。
 美少女と二人、アタシのオススメカフェでオススメのマカロンを囓る。
 オープンテラスなので通りすがる人の視線集めまくりなのは何かアレだけど、まあ細かいことはいいでしょう。
「それにしても、よくおうちの人が許してくれたわね」 
 これは気になっていたので、是非とも確認しておきたかった。
 お母様とは電話で念のため話をしたけど……伝わり方によっては、アタシは幼気な美少女を連れ回す悪いおっさんになってしまう。それだけは回避したい。
 イヴはどうやらアタシのことを美術館でお世話になった人だと説明してくれたようで、すんなり会うことができたけど……。
 
2012/04/17/Tue
某支部で話題が沸騰(私だけ?)中のIbやりました!


イケメンでオネエとか最高やないか……!
ベラフォードさんを一瞬彷彿とさせながら(オネエという共通点のみで)やっちゃいました。
素敵……!
BadEndだけど、「嘘もつきたくないけど 本当のことも言いたくない」の台詞に涙腺崩壊。
これ作った人のセンスにひれ伏すわ。何この美しい日本語。声に出して読みたいですね!イヤだ悲しい!
2012/03/18/Sun
 ガラス越しに貴女がにっこり笑いかけてくれる。
 その笑顔は私が独り占めだったのに……最近、闖入者が現れた。


「ただいまぁ」
 疲れた声で貴女がドアを開ける。がたんとかばたんとか騒がしい音がするのは、ここしばらく忙しくて玄関先がえらいことになっているからでしょう。
 ゴミくらい捨てて。うちのマンションはいつでも出せるでしょう!
 ガラスにギリギリまでくっついて貴女が私に笑顔を見せてくれるのを、今か今かと待ちかまえる。
 いつもは、すぐに来てくれた。なのに。
「ただいまぁ~!」
 さっきとは打って変わってあっまぁーい声が聞こえる。
 そして、さっきまで聞こえないふりをしていた、硬い物と床がぶつかるカチャカチャという耳障りな音。
「いいコしてた? おそくなってごめんねー! 駄目なおかあさんでごめんねー!」 
 あっまいあっまいとろけそうな貴女の声が真夜中の部屋に響く。ご近所さん大丈夫かしら……。
2012/02/14/Tue
「奥様“しか”見えない貴方は幸せ者だ」
 何を。
 問いかけたいが、何か、予感のようなものが全力で声を出すことを押しとどめている。
 我知らず背中にびっしょり汗をかいている。
 顔があげられない。麗人の顔が見られない。


 恐ろしい。


「この世の中には、貴方がご存じではない事もたくさんありますよ」
 くすくす笑いがどこかから聞こえる。
 耳に生暖かい風が触れる。
「お望みとあらば、お見せしますが?」
 迂闊にも一瞬目を上げてしまった。
 
 
 私が最後に見たのは、きちんと正座をしその胸元にほの白い骸骨をかき抱く麗人の姿だった。
 
 
 
 次気づいた時には、町医者のところで点滴を受けていた。
 道ばたで倒れていたそうで、年を取った医者は「過労だ」と渋い顔をした。
「休んで行きなさい」という言葉に甘え、ただぼんやりとベッドに寝転がる。
 黄ばんだカーテンが風もないのにゆらりと揺れる。
 思わず動悸が激しくなったが、意に反して妻の姿も、誰の姿も見えなかった。
 
 もうずっと、見えないままだった。




カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
フリーエリア
最新CM
最新記事
(04/19)
(04/17)
(04/17)
(03/18)
(02/14)
最新TB
プロフィール
HN:
まゆゆ
性別:
非公開
自己紹介:
 女性向け小説を書きたい!
 
 そういう意味わからん情熱が突っ走った結果のブログです。

 愛はあふれてますが、時たまわかりにくいです。
バーコード
ブログ内検索
最古記事
(08/01)
(08/01)
(08/01)
(08/03)
(08/03)
フリーエリア
Design by Nijiko [SUCUREなオカメインコ]
忍者ブログ [PR]