色々
2008/08/01/Fri
一度冷静に考えようじゃない。
なぜ、この馬鹿は、あたしを押し倒しているのだろう??
馬鹿は風邪ひかないというのは迷信だと思うわ。
目の前の、この、馬鹿としか言いようのないごちゃまぜは、真っ赤な顔をしてベッドで寝ている。熱もある。ノドが痛くて食べ物が美味しくない(食べられないわけではないらしい)
……否、馬鹿は馬鹿か。
薄着で雪の中を徘徊したんだもの。風邪ひかない方がどうかしてるわ。
仕方ない。じゃんけんに負けて面倒を見る係になったんだもの。
あたしも依頼主のお嬢様に会いたかったけど、ヴィンセントとケイティに任せて、この風邪っぴきの面倒でもみますか。
そう開き直って、林檎を取りに行こうと彼に背を向けた、はず、だった。
気づくとあたしは天井を見ていた。
正確には、熱に浮かされた彼と、彼の肩越しの天井だ。
あまりにも衝撃的すぎて、彼を見るのを拒否したようね。
なんだか、すごく嫌な予感がする。
その予感は一瞬にして現実のものとなった。
「どこ触ってんの!」
あああああ!
もう嫌だ嫌だ嫌だ!
気持ち悪い!
彼の手が、ふとももやら胸やらを服の上から撫でていく。
その動きに性的なものを感じ、必死で抵抗するも意味をなさない。
腕力でこの馬鹿にかなうわけない。
それでも、抵抗は止めたくなかった。
「やめて! やめてってば!」
彼の手が、服の中に入り込む。
胸の飾りを軽く引っ掻かれ、びくりと体が跳ねる。
宥めるように何度も何度も擦られると、半身が重くなってきたのがわかる。
「嫌だって!」
彼は何も言わない。
性急とも思える動きでスラックスに手をかける。
必死で彼の手首を掴むが、反対に掴み返され、床に縫い止められる。
「だめだってば……!」
言いながら、何故か涙が出てきた。
脳をよぎるのは、浅ましい想い。
このまま彼があたしの下腹部に触れたら、気付いてしまうだろう。
自分が男を相手にしているということを。
出来るだけ、引き延ばしていたかった。
この時を。
そんな矛盾する自分の想いに気付き、愕然としてしまった隙をつき、彼の手のひらが下着の中に滑り込んできた。
もうだめだ。
息をのむ音が耳元で鋭く響く。
彼の動きが止まる。
ゆるゆると体が離れていく。
そのまま、彼は何も言わず立ち去った。
本当に最低だ。
なぜ、この馬鹿は、あたしを押し倒しているのだろう??
馬鹿は風邪ひかないというのは迷信だと思うわ。
目の前の、この、馬鹿としか言いようのないごちゃまぜは、真っ赤な顔をしてベッドで寝ている。熱もある。ノドが痛くて食べ物が美味しくない(食べられないわけではないらしい)
……否、馬鹿は馬鹿か。
薄着で雪の中を徘徊したんだもの。風邪ひかない方がどうかしてるわ。
仕方ない。じゃんけんに負けて面倒を見る係になったんだもの。
あたしも依頼主のお嬢様に会いたかったけど、ヴィンセントとケイティに任せて、この風邪っぴきの面倒でもみますか。
そう開き直って、林檎を取りに行こうと彼に背を向けた、はず、だった。
気づくとあたしは天井を見ていた。
正確には、熱に浮かされた彼と、彼の肩越しの天井だ。
あまりにも衝撃的すぎて、彼を見るのを拒否したようね。
なんだか、すごく嫌な予感がする。
その予感は一瞬にして現実のものとなった。
「どこ触ってんの!」
あああああ!
もう嫌だ嫌だ嫌だ!
気持ち悪い!
彼の手が、ふとももやら胸やらを服の上から撫でていく。
その動きに性的なものを感じ、必死で抵抗するも意味をなさない。
腕力でこの馬鹿にかなうわけない。
それでも、抵抗は止めたくなかった。
「やめて! やめてってば!」
彼の手が、服の中に入り込む。
胸の飾りを軽く引っ掻かれ、びくりと体が跳ねる。
宥めるように何度も何度も擦られると、半身が重くなってきたのがわかる。
「嫌だって!」
彼は何も言わない。
性急とも思える動きでスラックスに手をかける。
必死で彼の手首を掴むが、反対に掴み返され、床に縫い止められる。
「だめだってば……!」
言いながら、何故か涙が出てきた。
脳をよぎるのは、浅ましい想い。
このまま彼があたしの下腹部に触れたら、気付いてしまうだろう。
自分が男を相手にしているということを。
出来るだけ、引き延ばしていたかった。
この時を。
そんな矛盾する自分の想いに気付き、愕然としてしまった隙をつき、彼の手のひらが下着の中に滑り込んできた。
もうだめだ。
息をのむ音が耳元で鋭く響く。
彼の動きが止まる。
ゆるゆると体が離れていく。
そのまま、彼は何も言わず立ち去った。
本当に最低だ。
続きます。
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