色々
2010/03/19/Fri
「いよいよさよならだな」
「ぼくは行けないよ」
そう言った、凛とした表情を今でもよく思い出す。
「どうしたの、ダヤン」
僅かに首を傾げる彼に、ううん、とにっこり笑って返す。
彼の淹れてくれた紅茶はいつもとっても美味しい。
ぼくの気分に合わせて配合を変えて、いつもぼくがとびっきり美味しい! と思うような紅茶にしてくれる。
“いつも”のジタンだ。何も変わっちゃいない。
でも、何か違和感がつきまとうんだ。
あっちにこっちにぐるぐる回って虫食い穴に吸い込まれながら、瞳だけは必死に開いて彼の姿を見つめていた。
叩きつける風のせいで目が乾いて涙が出た。
彼の姿がじんわり潤む。
その時に見た彼の笑顔が、目に焼き付いて離れない。
目の前で困ったように微笑むジタンに顔を見られたくなくて、紅茶を冷ますフリをして視線を逃す。
聡いジタンのことだから、ぼくの違和感にも気付いていると思う。でも、何も言わない。
それがまたぼくを困らせる。
ねえ。
いつもみたいに「どうしたんだい、ダヤン」って聞いて。
でも同時に、聞かれることが怖い。
あまり話をせずにジタンの家を辞した。
寂しそうなジタンを見ていられなくて、バレバレの笑顔で手を振って走り出す。
なんでだろう。
なんで今まで通りにいかないんだろう。
ぼくは一体どうしたんだろう?
答えは分かってる。
「ぼくは行けないよ」
そう言った、凛とした表情を今でもよく思い出す。
「どうしたの、ダヤン」
僅かに首を傾げる彼に、ううん、とにっこり笑って返す。
彼の淹れてくれた紅茶はいつもとっても美味しい。
ぼくの気分に合わせて配合を変えて、いつもぼくがとびっきり美味しい! と思うような紅茶にしてくれる。
“いつも”のジタンだ。何も変わっちゃいない。
でも、何か違和感がつきまとうんだ。
あっちにこっちにぐるぐる回って虫食い穴に吸い込まれながら、瞳だけは必死に開いて彼の姿を見つめていた。
叩きつける風のせいで目が乾いて涙が出た。
彼の姿がじんわり潤む。
その時に見た彼の笑顔が、目に焼き付いて離れない。
目の前で困ったように微笑むジタンに顔を見られたくなくて、紅茶を冷ますフリをして視線を逃す。
聡いジタンのことだから、ぼくの違和感にも気付いていると思う。でも、何も言わない。
それがまたぼくを困らせる。
ねえ。
いつもみたいに「どうしたんだい、ダヤン」って聞いて。
でも同時に、聞かれることが怖い。
あまり話をせずにジタンの家を辞した。
寂しそうなジタンを見ていられなくて、バレバレの笑顔で手を振って走り出す。
なんでだろう。
なんで今まで通りにいかないんだろう。
ぼくは一体どうしたんだろう?
答えは分かってる。
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