色々
2009/06/06/Sat
『私だけを見て欲しいから』
武道には通じています。そりゃそうでしょう。父親が傭兵上がりのオタクなんですから。
小さい頃は「頑張れば出来る!」なんて無茶を言われて叩き込まれました。
母は私が3歳の時に流行病で。
でも、まだまだ肯んぜない子どもですよ?
友達とも遊びたいし、まだまだ親に甘えたい。
それを、何が嬉しくて。
でも、あなただから。
あなただから志願しました。
『できないと言えばベソをかかれ』
その古い宿に入った頃には、すでに時計は23時を指していました。
「……」
「……」
二人とも、疲れて無言。
それでも従者のユシャは何とか身体を動かし、台所でお湯をもらうと主の為に布を絞り始めました。
「はい、こちらで顔をお拭き下さい」
ユシャの浅黒い肌は砂にまみれ、いつもはつややかな黒い髪も色が変わっています。
「どうして今日中に討伐に行かなかったの」
金髪碧眼の美少年が、こちらもユシャほどではないものの砂にまみれた顔を不満そうに歪めて不平を漏らします。
布を受け取り乱暴に肌を擦りながら、言い募ろうと口を開きますが。
「一日歩きづめで疲れたからです」
察したユシャが先手を打ちました。
「僕は大丈夫!」
「ご自分の顔を鏡でご覧下さい。ひどい顔色ですよ」
これでもユシャは精一杯抑えました。
砂丘に足を取られたり、猛毒を持った蜘蛛がいたり。そんな中王子様をずっと守ってきたユシャの疲労は王子様の比ではなく、今すぐにでも布団に入りたいのです。
それでも最大限の自制心で穏やかに答えます。
武道には通じています。そりゃそうでしょう。父親が傭兵上がりのオタクなんですから。
小さい頃は「頑張れば出来る!」なんて無茶を言われて叩き込まれました。
母は私が3歳の時に流行病で。
でも、まだまだ肯んぜない子どもですよ?
友達とも遊びたいし、まだまだ親に甘えたい。
それを、何が嬉しくて。
でも、あなただから。
あなただから志願しました。
『できないと言えばベソをかかれ』
その古い宿に入った頃には、すでに時計は23時を指していました。
「……」
「……」
二人とも、疲れて無言。
それでも従者のユシャは何とか身体を動かし、台所でお湯をもらうと主の為に布を絞り始めました。
「はい、こちらで顔をお拭き下さい」
ユシャの浅黒い肌は砂にまみれ、いつもはつややかな黒い髪も色が変わっています。
「どうして今日中に討伐に行かなかったの」
金髪碧眼の美少年が、こちらもユシャほどではないものの砂にまみれた顔を不満そうに歪めて不平を漏らします。
布を受け取り乱暴に肌を擦りながら、言い募ろうと口を開きますが。
「一日歩きづめで疲れたからです」
察したユシャが先手を打ちました。
「僕は大丈夫!」
「ご自分の顔を鏡でご覧下さい。ひどい顔色ですよ」
これでもユシャは精一杯抑えました。
砂丘に足を取られたり、猛毒を持った蜘蛛がいたり。そんな中王子様をずっと守ってきたユシャの疲労は王子様の比ではなく、今すぐにでも布団に入りたいのです。
それでも最大限の自制心で穏やかに答えます。
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