色々
2010/01/09/Sat
彼は、わかりにくい。
いつもへらへら笑ってみんな(主に女の子)に囲まれているかと思えば、その深いブルーの瞳に他人を近づけさせない孤独が見える。
軽くて不真面目かと思いきや、すごく繊細だったりする。
わからない。
その日は暗殺者から要人を守る任務だった。
屋外での講演会の為、あちこちにSeeDが配置された。
彼は狙撃手として屋上に待機、あたしは要人のすぐ近くで護衛中だ。
魔女討伐に参加したSeeDはあたしとアーヴァインだけだけど、他のSeeDもみんな一様にレベルが高い。
これなら大丈夫だと、安心はしていた。
だけど、油断はしていないはずだった。
人垣の後方から悲鳴が広がり、近くにいた数人SeeDが音もなく動く。
と、また別の方向で悲鳴が。
あちこちで悲鳴や怒号が連鎖的に上がる。
今回の講演会は宗教的な意味合いをもつものだった為、反対組織のテロだろう。
あたしはすぐに要人の元に走り、屋内へ。
そのあたしの背中に、聞き慣れた銃声。
少し嫌な予感がした。
狙撃手は、言葉の通り一撃必殺な事が多い。しかしこれは裏を返せば、一度撃ってしまうと場所の特定もされやすく、人数が多いときにはあまり向かない事もおおいのだ。
アーヴァインの事だ、うまく移動するだろう。
そうは信じていても、胸に染みついた嫌な予感はまだ渦巻いている。
きっと、あの銃声が早すぎたからだ。
テロリストを潰すには、ボスを潰してやればいい。
後は統率を失った集団を押さえるだけだ。
彼ならば見えない位置からボスを見抜き、撃ち抜くことなどたやすいだろう。
少しあたしが思ったより早かっただけだ。
その日、ふと戯れにその話をしてみた。
アービンの腕は信じてるのにね、と笑ってみせると、思いの外真剣な顔をしたアーヴァインと目が合った。
「ありがと、セフィ」
「な、なにが?」
「僕のこと心配してくれたんだよね~嬉しいなぁ~」
いつものへらへら笑いではなく、本当に嬉しくて笑ってる顔だ。
ついでにぎゅーっと抱きしめられ、硝煙のニオイがぷんと鼻につく。
低い声が耳元で囁いた。
「前にも言ったけど狙撃手ってね、本当に孤独なんだ。しかも、リスクもすごく大きい。位置を把握されちゃったら、大人数相手だと囲まれる危険性もあるし、見つかったら勿論命はないよね。確実に仇だもん。捕虜になる可能性はゼロに近いし、もしなったとしてもその拷問は一般兵士の比じゃないよ」
それは、知識としては知っていた。
けど今、改めて思う。
この人は、あたしが助けられない場所にいるんだ。
どこにも行かないでね。
お願いだから、どこにも行かないで。
いつもへらへら笑ってみんな(主に女の子)に囲まれているかと思えば、その深いブルーの瞳に他人を近づけさせない孤独が見える。
軽くて不真面目かと思いきや、すごく繊細だったりする。
わからない。
その日は暗殺者から要人を守る任務だった。
屋外での講演会の為、あちこちにSeeDが配置された。
彼は狙撃手として屋上に待機、あたしは要人のすぐ近くで護衛中だ。
魔女討伐に参加したSeeDはあたしとアーヴァインだけだけど、他のSeeDもみんな一様にレベルが高い。
これなら大丈夫だと、安心はしていた。
だけど、油断はしていないはずだった。
人垣の後方から悲鳴が広がり、近くにいた数人SeeDが音もなく動く。
と、また別の方向で悲鳴が。
あちこちで悲鳴や怒号が連鎖的に上がる。
今回の講演会は宗教的な意味合いをもつものだった為、反対組織のテロだろう。
あたしはすぐに要人の元に走り、屋内へ。
そのあたしの背中に、聞き慣れた銃声。
少し嫌な予感がした。
狙撃手は、言葉の通り一撃必殺な事が多い。しかしこれは裏を返せば、一度撃ってしまうと場所の特定もされやすく、人数が多いときにはあまり向かない事もおおいのだ。
アーヴァインの事だ、うまく移動するだろう。
そうは信じていても、胸に染みついた嫌な予感はまだ渦巻いている。
きっと、あの銃声が早すぎたからだ。
テロリストを潰すには、ボスを潰してやればいい。
後は統率を失った集団を押さえるだけだ。
彼ならば見えない位置からボスを見抜き、撃ち抜くことなどたやすいだろう。
少しあたしが思ったより早かっただけだ。
その日、ふと戯れにその話をしてみた。
アービンの腕は信じてるのにね、と笑ってみせると、思いの外真剣な顔をしたアーヴァインと目が合った。
「ありがと、セフィ」
「な、なにが?」
「僕のこと心配してくれたんだよね~嬉しいなぁ~」
いつものへらへら笑いではなく、本当に嬉しくて笑ってる顔だ。
ついでにぎゅーっと抱きしめられ、硝煙のニオイがぷんと鼻につく。
低い声が耳元で囁いた。
「前にも言ったけど狙撃手ってね、本当に孤独なんだ。しかも、リスクもすごく大きい。位置を把握されちゃったら、大人数相手だと囲まれる危険性もあるし、見つかったら勿論命はないよね。確実に仇だもん。捕虜になる可能性はゼロに近いし、もしなったとしてもその拷問は一般兵士の比じゃないよ」
それは、知識としては知っていた。
けど今、改めて思う。
この人は、あたしが助けられない場所にいるんだ。
どこにも行かないでね。
お願いだから、どこにも行かないで。
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