「やめろ……っ!!」
自分でも痛々しくなるくらい悲壮な悲鳴が出た。
どんなに身を捩っても、馬鹿力は全くゆるまず、びくともしない。
壁に自分の身体がぶつかってどんどん音を立てる。
「おかしいだろこんなの!」
振り上げた足の当たり所が悪かったらしく、押さえつけている真っ赤な髪の野郎は一瞬目を細めた。
ヤバイ。
「……オスカーっていい度胸してるよね」
にっこり、綺麗な綺麗な微笑。
血の気がひくと同時に、便所のドアに顔面を押しつけられる。
覚えているだろうか、オレが便座に座らされていたことを。
「いだっ!!」
かなりの勢いでぶつけられ、あまりの痛みに目の奥がスパークした。
そのままエルモの手は、オレのズボンの中に入ってくる。
こっちはデコが痛くて悶絶気味だというのに……。
「いいね、涙に濡れた目って」
これは純粋な痛みの為だ!!
このドSが!!
片手でデコを押さえ(ちょっと腫れて熱を持ってる)片手で不埒な手に必死で抵抗。
「どうしてやなの?」
ふ、とうなじに熱い息が吹きかけられ、思わず硬直した。
その隙を見逃さず、早業で下着の中に手が入り込んでくる。
「やめ……っ!」
身を捩ってももう駄目だ。弱いところを知り尽くした手が、どんどん欲を暴いていく。
両拳を握りしめ必死で熱を逃そうとするが、暴力的なほどの快感が脳髄を溶かす。
脚ががくがく震え、今にも崩れ落ちそうになるのを耐える。
「ほんと、キモチイイことに弱いよねえ、オスカー」
嘲るような声が聞こえるが、立つことと快感に耐えることに必死でそれどころではない。
先端をぐりぐり弄られ堪らず膝が崩れるが、股の間に脚を差し込まれ、それも許されない。
「ほら、ちゃんと立って。自分でヤる時も立ってヤったらすごくキモチイイんだよ」
身体がびくびく波打つ。
引っかかりはないが扉に爪を立てて逃れようとする。
あられもない声が出そうで、拳に噛み付く。
ぽろぽろ涙が零れ、その感覚にすら鳥肌が立つ。
限界を訴える身体、理性が焼き切れそうになる。
「イかせてあげるよ」
その一言と同時に、目の前で白がスパーク。
「あ……」
呆然と座り込んだオレの身体を無理矢理反転させ、ドSはにんまりと笑った。
「また勃っちゃった」