色々
2009/09/22/Tue
「……ノックくらいしたら」
「気づかないテメェが悪ぃんだろうが」
朝っぱらから剣呑な雰囲気になっているのは、我が家の紅白コンビだ。
毎日毎日毎日毎日飽きもせず、何かと些細な原因を見つけてはちょこちょこ小競り合いが勃発している。
むしろ趣味の範囲なんじゃないのか。放っておいた方がいいんじゃないのか。
そういう達観は、自分の飲もうとしていた湯気の立っていたはずの珈琲がかちんこちんに凍っていたり、逆にマグマの如く煮えたぎっていたり、新聞が発火したり、釘が打てそうな硬さになっていたり、飼っている金魚のめーちゃんが死にそうな顔でこっちに水の温度をアピール(もちろん煮魚や氷になることを恐れてだ)してくる事によってぶち壊される。
「二人とも」
声をかけると一瞬こちらを見る碧、気づかない赤。
ぴりぴりした空気は相変わらずだが、常に冷静な氷河が若干気後れした。
そしてこちらに気づかないくらいヒートアップしている炎が、それを見逃すはずない。
「いちいち起こしにくんなっていっつも言ってるでしょ? 何でわざわざ毎朝繰り返すの? 嫌がらせ?」
氷河の理性にヒビが入った音が聞こえた。気がした。
「減らず口くらいしか叩けないのかお前は」
絶対零度の視線と声の温度で言い放つ。
「氷河、炎」
今度は名指しで。
「大地兄は口出さないで」
怖。
名の通り、烈しい瞳で押し返された。
どうしてこの子はこんなに喧嘩っ早いのかね。
そんな事言ったら怖い人が来るのに。
「誰に対して物言ってんだ?」
すぐさま、確実に怒気を含んだ声が頭上から響いた。
まっ金金としか言いようのない派手な金髪に、金褐色の瞳。
「雷!」
「暑苦しいんだよ毎朝毎朝。ぎゃーぎゃー噛み付くしか脳がねぇんならせめて自力で起きろアホ」
たるそうに紫煙を漂わせる(室内禁煙だって約束したはずだが)雷は、面倒くさそうに手すりを飛び越え、炎の目の前に華麗に着地した。
「で、どの口かな? 敬愛するお兄様に命令したのは」
笑ってない。目が笑ってない。
スパークする火花が見える。
氷河は早くも逃走の準備を整え、速やかに舞台からフェードアウトしている。
「言葉の綾です」
直立不動の姿勢のまま、雷から微妙に視線を逸らした炎が目で必死で謝罪してくる。
“ごめんなさい助けてください!!”
しょうがない。
「はいはい、雷ありがとう。俺はあんまり気にしてないからその物騒な目つきをやめようねー」
「だってぇ……」
雷は迫力美人なのだが、服の趣味はロックだ。
今もぴったりとした革のジャケットから、豊満な胸がこぼれそうに……いかん、視線がおっさんだ。
そんな美人に上目遣いされて甘くならない男がいるだろうか。いや、いない!
というわけで雷に甘い俺は悪くない。自己弁護終わり!
「兄貴ぃ今日はどっか行かないの-?」
ソファの背もたれにくっついた雷が甘えた声を出す。
「ん? どこ行きたい?」
「んー、そろそろ秋物が出る頃だからブーツみたいなぁ。こないだギンガムチェックのミニスカ買ったんだ。それに合うの探したいの」
すんなりした脚を包む乗馬ブーツ、真っ白い太もも、くすんだ赤色のギンガムチェックのプリーツスカート=絶対領域!!
「よし行こうすぐ行こうどこに行こう」
「わあーい!」
きゃっきゃしてる兄姉を見て毒気を抜かれたのか、学生二人はやっと椅子に座り食事を取りだした。
険悪なムードは相変わらずだが、氷河がたまにちらちらとこちらの様子を伺ってくるのが可愛い。
「ねー兄貴ー車出してくれるー?」
ソファで珈琲を飲みながらだらだらする年長組。
ぴりぴりした空気のまま、朝食中の弟組。
なんだか異様な光景だが、基本的にいつもこんな感じなので誰も気にしない。
「気づかないテメェが悪ぃんだろうが」
朝っぱらから剣呑な雰囲気になっているのは、我が家の紅白コンビだ。
毎日毎日毎日毎日飽きもせず、何かと些細な原因を見つけてはちょこちょこ小競り合いが勃発している。
むしろ趣味の範囲なんじゃないのか。放っておいた方がいいんじゃないのか。
そういう達観は、自分の飲もうとしていた湯気の立っていたはずの珈琲がかちんこちんに凍っていたり、逆にマグマの如く煮えたぎっていたり、新聞が発火したり、釘が打てそうな硬さになっていたり、飼っている金魚のめーちゃんが死にそうな顔でこっちに水の温度をアピール(もちろん煮魚や氷になることを恐れてだ)してくる事によってぶち壊される。
「二人とも」
声をかけると一瞬こちらを見る碧、気づかない赤。
ぴりぴりした空気は相変わらずだが、常に冷静な氷河が若干気後れした。
そしてこちらに気づかないくらいヒートアップしている炎が、それを見逃すはずない。
「いちいち起こしにくんなっていっつも言ってるでしょ? 何でわざわざ毎朝繰り返すの? 嫌がらせ?」
氷河の理性にヒビが入った音が聞こえた。気がした。
「減らず口くらいしか叩けないのかお前は」
絶対零度の視線と声の温度で言い放つ。
「氷河、炎」
今度は名指しで。
「大地兄は口出さないで」
怖。
名の通り、烈しい瞳で押し返された。
どうしてこの子はこんなに喧嘩っ早いのかね。
そんな事言ったら怖い人が来るのに。
「誰に対して物言ってんだ?」
すぐさま、確実に怒気を含んだ声が頭上から響いた。
まっ金金としか言いようのない派手な金髪に、金褐色の瞳。
「雷!」
「暑苦しいんだよ毎朝毎朝。ぎゃーぎゃー噛み付くしか脳がねぇんならせめて自力で起きろアホ」
たるそうに紫煙を漂わせる(室内禁煙だって約束したはずだが)雷は、面倒くさそうに手すりを飛び越え、炎の目の前に華麗に着地した。
「で、どの口かな? 敬愛するお兄様に命令したのは」
笑ってない。目が笑ってない。
スパークする火花が見える。
氷河は早くも逃走の準備を整え、速やかに舞台からフェードアウトしている。
「言葉の綾です」
直立不動の姿勢のまま、雷から微妙に視線を逸らした炎が目で必死で謝罪してくる。
“ごめんなさい助けてください!!”
しょうがない。
「はいはい、雷ありがとう。俺はあんまり気にしてないからその物騒な目つきをやめようねー」
「だってぇ……」
雷は迫力美人なのだが、服の趣味はロックだ。
今もぴったりとした革のジャケットから、豊満な胸がこぼれそうに……いかん、視線がおっさんだ。
そんな美人に上目遣いされて甘くならない男がいるだろうか。いや、いない!
というわけで雷に甘い俺は悪くない。自己弁護終わり!
「兄貴ぃ今日はどっか行かないの-?」
ソファの背もたれにくっついた雷が甘えた声を出す。
「ん? どこ行きたい?」
「んー、そろそろ秋物が出る頃だからブーツみたいなぁ。こないだギンガムチェックのミニスカ買ったんだ。それに合うの探したいの」
すんなりした脚を包む乗馬ブーツ、真っ白い太もも、くすんだ赤色のギンガムチェックのプリーツスカート=絶対領域!!
「よし行こうすぐ行こうどこに行こう」
「わあーい!」
きゃっきゃしてる兄姉を見て毒気を抜かれたのか、学生二人はやっと椅子に座り食事を取りだした。
険悪なムードは相変わらずだが、氷河がたまにちらちらとこちらの様子を伺ってくるのが可愛い。
「ねー兄貴ー車出してくれるー?」
ソファで珈琲を飲みながらだらだらする年長組。
ぴりぴりした空気のまま、朝食中の弟組。
なんだか異様な光景だが、基本的にいつもこんな感じなので誰も気にしない。
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