色々
2009/12/03/Thu
「炎、相手してよ。発情期なの」
口に含んでいた飴が吹っ飛んだ。
この人は正気なのかしら。おそるおそる振り向くと、獰猛な目をした金髪が仁王立ちしていた。
やべえ超こえぇぇぇ。
信じてもいない神様に祈りそうになりながら、ゆっくりと身体の向きを変え対峙する。
こんなのに背後に立たれてたらヤバイ。
「……氷河はどうしたの?」
「誰かさんが余計な事吹き込んだせいでご無沙汰」
紛う事なく濃厚な殺意を感じる。
怖い。めちゃくちゃ怖い。
「もしかして、それって俺のせいだって言いたいの?」
わざと嘲るように言うと、気に障ったのか眉がぎゅっと寄った。
激情に耐えるように結ばれた唇。
「別にいいよ、相手するくらい。でも俺、痛いの嫌いだからなあ~」
わざと軽く言いながら、手の甲で雷の頬を撫でる。
それだけでわずかに震える身体は、確かに欲を欲しているのだろう。
良かった、内心噛み付かれたらどうしようと思ってたんだ。
「しかも、挿れちゃ駄目なんでしょ? だったら俺あんま気持ちよくないし」
そんな潤んだ瞳で睨まれても。本当に発情してんだな~……。
「……手でするから、ちゃんと炎も気持ちよくするから」
声も必死だ。
「えー……雷の『気持ちよくする』って何か不穏なんだよね~。あの氷河なのに悲鳴とか泣き声しか聞こえてこないし」
痛いところを突いたようで、俯いて黙り込んでしまう。
指先が行き所をなくしたようにもぞもぞしている。
虐めてる気になるけど、全部事実だし。俺は悪くない。
それどころか、俺も雷と兄弟なんだなあと思うくらい嗜虐心が満たされる。
もっと追い詰めたい。
「どーいう風にキモチヨクしてくれるわけ?? 具体的に説明してよ」
「だから……」
「俺、おっぱいそんなにスキじゃないんだよねー。雷のウリって胸の贅肉だけじゃん」
みるみる顔が真っ赤になり、金魚のように口をぱくぱくさせた。
髪が静電気を孕み、ふわりと浮き上がる。
一瞬本気で逃走の算段をした瞬間、雷が俯いて深呼吸した。
「絶対ヤる気ないだろ」
結構馬鹿じゃないんだよねー。
にっこり、極上の笑顔を見せつけてみた。
「あ、バレた?」
指先が放電し始めたのを見て急いで付け加える。
「でも、必死になってる雷をいじめるのって楽しいね。ちょっと勃ちそうだったもん」
「変態」
一瞬浮かべた、本気の侮蔑の表情に煽られた。
気が付くと、雷の髪を引っ張ってキスをしていた。
身体を震わせた雷に気を良くし、そっと舌で唇をなぞる。
何か、すごい嫌がらせだな、と苦笑を浮かべたと同時に不意を突かれた。
するりと舌が口内に入り込んでくる。前歯の裏をねっとりと舐められ思わず腰が震える。
うわ、何かむかつく。
思わず本気になりかけたが、自分でも何が何だかわからないが雷を突き飛ばしていた。
次の瞬間、ひやりとした空気を肌に感じ、頭を抱えたくなった。
雷が手の甲で唇を拭いながら、思わず、といった様に視線を落とす。
俺はというと、情けないことに振り向けない。
滅多にかかない、汗というものが背中を滑り落ちる。
お、俺悪くねーし! 誘ったのは雷だし!
……駄目だ、こんな事言ったら炎の氷漬けが完成してしまう。
どうしよう。
約1秒でここまで考え、何も思い浮かばないのでとりあえず土下座でもしようかと思い意を決して振り向き、決するんじゃなかったと心の底から後悔した。
「俺が誘ったんだ」
ぽつんと雷が呟く。
それから言葉が続かなくなり、俯く。
俺はというと、そんな雷を目の端に捉えながらも氷河から視線を逸らすことが出来ず、固まってしまっていた。
雷がまた何か言おうと口を開くが、それより早く氷河が言葉を発した。
「ごめん」
あんな潤んだ声聞きたくなかった。
口に含んでいた飴が吹っ飛んだ。
この人は正気なのかしら。おそるおそる振り向くと、獰猛な目をした金髪が仁王立ちしていた。
やべえ超こえぇぇぇ。
信じてもいない神様に祈りそうになりながら、ゆっくりと身体の向きを変え対峙する。
こんなのに背後に立たれてたらヤバイ。
「……氷河はどうしたの?」
「誰かさんが余計な事吹き込んだせいでご無沙汰」
紛う事なく濃厚な殺意を感じる。
怖い。めちゃくちゃ怖い。
「もしかして、それって俺のせいだって言いたいの?」
わざと嘲るように言うと、気に障ったのか眉がぎゅっと寄った。
激情に耐えるように結ばれた唇。
「別にいいよ、相手するくらい。でも俺、痛いの嫌いだからなあ~」
わざと軽く言いながら、手の甲で雷の頬を撫でる。
それだけでわずかに震える身体は、確かに欲を欲しているのだろう。
良かった、内心噛み付かれたらどうしようと思ってたんだ。
「しかも、挿れちゃ駄目なんでしょ? だったら俺あんま気持ちよくないし」
そんな潤んだ瞳で睨まれても。本当に発情してんだな~……。
「……手でするから、ちゃんと炎も気持ちよくするから」
声も必死だ。
「えー……雷の『気持ちよくする』って何か不穏なんだよね~。あの氷河なのに悲鳴とか泣き声しか聞こえてこないし」
痛いところを突いたようで、俯いて黙り込んでしまう。
指先が行き所をなくしたようにもぞもぞしている。
虐めてる気になるけど、全部事実だし。俺は悪くない。
それどころか、俺も雷と兄弟なんだなあと思うくらい嗜虐心が満たされる。
もっと追い詰めたい。
「どーいう風にキモチヨクしてくれるわけ?? 具体的に説明してよ」
「だから……」
「俺、おっぱいそんなにスキじゃないんだよねー。雷のウリって胸の贅肉だけじゃん」
みるみる顔が真っ赤になり、金魚のように口をぱくぱくさせた。
髪が静電気を孕み、ふわりと浮き上がる。
一瞬本気で逃走の算段をした瞬間、雷が俯いて深呼吸した。
「絶対ヤる気ないだろ」
結構馬鹿じゃないんだよねー。
にっこり、極上の笑顔を見せつけてみた。
「あ、バレた?」
指先が放電し始めたのを見て急いで付け加える。
「でも、必死になってる雷をいじめるのって楽しいね。ちょっと勃ちそうだったもん」
「変態」
一瞬浮かべた、本気の侮蔑の表情に煽られた。
気が付くと、雷の髪を引っ張ってキスをしていた。
身体を震わせた雷に気を良くし、そっと舌で唇をなぞる。
何か、すごい嫌がらせだな、と苦笑を浮かべたと同時に不意を突かれた。
するりと舌が口内に入り込んでくる。前歯の裏をねっとりと舐められ思わず腰が震える。
うわ、何かむかつく。
思わず本気になりかけたが、自分でも何が何だかわからないが雷を突き飛ばしていた。
次の瞬間、ひやりとした空気を肌に感じ、頭を抱えたくなった。
雷が手の甲で唇を拭いながら、思わず、といった様に視線を落とす。
俺はというと、情けないことに振り向けない。
滅多にかかない、汗というものが背中を滑り落ちる。
お、俺悪くねーし! 誘ったのは雷だし!
……駄目だ、こんな事言ったら炎の氷漬けが完成してしまう。
どうしよう。
約1秒でここまで考え、何も思い浮かばないのでとりあえず土下座でもしようかと思い意を決して振り向き、決するんじゃなかったと心の底から後悔した。
「俺が誘ったんだ」
ぽつんと雷が呟く。
それから言葉が続かなくなり、俯く。
俺はというと、そんな雷を目の端に捉えながらも氷河から視線を逸らすことが出来ず、固まってしまっていた。
雷がまた何か言おうと口を開くが、それより早く氷河が言葉を発した。
「ごめん」
あんな潤んだ声聞きたくなかった。
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