色々
2011/01/20/Thu
「おはよ!」
「ごめんね、お待たせ」
にっこり笑顔の君に、思わずほっこり。朝の10時半。
「前売り券、もう引き替えといたよ。真ん中の方でいいよね?」
君の望むことなら何なりと。
みたいみたいと言っていた映画。可愛らしい古いロボットが、最新型のロボットの為に一生懸命頑張る話らしい。君の説明は相変わらずわかりにくいけど、テレビでCMをよく見て事前知識は付いた。
うん、誰かが死んじゃったりする悲しい話じゃなさそうだから大丈夫。
座席に座っても君はなかなか落ち着かない。
「ねーね-、小腹が空いたらお腹が鳴ってしまって困るから、ポップコーンとジュースも必需品じゃない?」
はいはい、買ってきますよー。
「何味がいい?」
素直に笑いかけたつもりなのだが、「何で苦笑するのー」と言われてしまった。
それ、自分の胸に手を当てて考えてごらんよ……多分思い過ごしだよ。
君はひそひそ声でよくしゃべった。
特報を見ては次はこれをみたいあれをみたい。面白そう面白くなさそう。この俳優が格好いい、この女優は美人だ。
そして本編が始まったら子どもみたいに一生懸命画面を見詰め、大口を開けて笑い、ボロボロ泣いた。ロボットが本来の彼(彼女?)らしさを取り戻した感動的な場面では、泣きながらにやにや笑っていた。
正直、映画よりも隣に座る君のリアクションの方が楽しかった。
ポップコーンを食べようとして手が触れてしまい、その瞬間だけ映画からこちらに意識が向く君も可愛い。まあ感動的なシーンではポップコーンどころじゃなかったみたいだけど。
エンドクレジットが終わり場内が明るくなっても、君は真っ赤になった鼻をすすりながら鏡を睨み、はげてしまった化粧と格闘していた。
「化粧室に行けばいいのに」
「絶対混んでるもん」
こちらに顔を見せないっていうことは、一応気を遣って貰ってるのかな??
鷲掴みしてバリバリポップコーンを食べていると、ぱちんと軽快な音がして、君がごそごそ上着を羽織り始めた。
「お腹空いちゃった」
フリーダムで良いと思う。
食事は同じ館内にある、カツで有名なお店にした。
メニューを、さっきの映画を見ているときと同じくらいの真剣さで見詰め、何だかんだいいながら4種類のカツが食べられるセットメニューに決めた君。そんな君を見届けてから、最後の最後まで君が悩んでいた、季節の牡蠣フライが入ったメニューに決めた。
「いっこちょうだい?」
「はいはい」
やったーとわかりやすく喜び、お茶を飲みながらわくわく到着を待つ。本当、見ていて飽きない。
「お待たせ致しました、花御前のお客様」
「はぁい」
わくわくしながらも、ちゃんと二人分揃うまで待ってくれる。こういった少し割高なお店はそこら辺きちっとしているので、ほとんど間を置かず牡蠣フライもきた。
早速「いただきまーす」と届いたカツを頬張り、喜色満面! といった様子だ。
柚のドレッシングが君の手の向こう側に見えたので、取って貰う。君も興味を示し、まずは少しだけキャベツの山にたらしてみる。
ちょっと斜め上を見ながらもぐもぐと顎を動かし、何かに納得したように残りの山にもドレッシングをぶちまけた。
わかりやすすぎる行動に笑いの衝動が破裂しそうだったが、幸せそうな君の邪魔をするのも忍びないので、腹筋に力を込めて耐える。耐えてくれ、腹筋。
「私、冷たい野菜ってそんなに好きじゃないけどこれなら食べられるかも~」
それは本当に良かった。
お会計の時にやや揉めしたものの、そう言うことを好まない君のお陰でこちらが負担することに成功した。
引き下がった後、にっこり「ゴチソウサマでした」。好感度はうなぎ登りだ。
が、転んではタダでは起きない君のことを忘れていた。
「お買い物したい」
というお姫様に付き合い歩いていると、君がカラフルな看板を指さし「アイス~」の一言。ついでに満面の笑みも忘れずに。
……まだ食べるの……。
ここは私が払う! という君の押しに負け、クッキーやらナッツやら何だかんだ入った華やかなアイスを頼む。
カップにしてもらってふと横を見ると、キラキラした瞳で何故かチョコレートミントのみでトリプルコーンを注文している君の姿が目に入った。店員さんの何か言いたげな表情にちょっと同情した後は、笑いの発作を治めるのに苦心した。
「ごめんね、お待たせ」
にっこり笑顔の君に、思わずほっこり。朝の10時半。
「前売り券、もう引き替えといたよ。真ん中の方でいいよね?」
君の望むことなら何なりと。
みたいみたいと言っていた映画。可愛らしい古いロボットが、最新型のロボットの為に一生懸命頑張る話らしい。君の説明は相変わらずわかりにくいけど、テレビでCMをよく見て事前知識は付いた。
うん、誰かが死んじゃったりする悲しい話じゃなさそうだから大丈夫。
座席に座っても君はなかなか落ち着かない。
「ねーね-、小腹が空いたらお腹が鳴ってしまって困るから、ポップコーンとジュースも必需品じゃない?」
はいはい、買ってきますよー。
「何味がいい?」
素直に笑いかけたつもりなのだが、「何で苦笑するのー」と言われてしまった。
それ、自分の胸に手を当てて考えてごらんよ……多分思い過ごしだよ。
君はひそひそ声でよくしゃべった。
特報を見ては次はこれをみたいあれをみたい。面白そう面白くなさそう。この俳優が格好いい、この女優は美人だ。
そして本編が始まったら子どもみたいに一生懸命画面を見詰め、大口を開けて笑い、ボロボロ泣いた。ロボットが本来の彼(彼女?)らしさを取り戻した感動的な場面では、泣きながらにやにや笑っていた。
正直、映画よりも隣に座る君のリアクションの方が楽しかった。
ポップコーンを食べようとして手が触れてしまい、その瞬間だけ映画からこちらに意識が向く君も可愛い。まあ感動的なシーンではポップコーンどころじゃなかったみたいだけど。
エンドクレジットが終わり場内が明るくなっても、君は真っ赤になった鼻をすすりながら鏡を睨み、はげてしまった化粧と格闘していた。
「化粧室に行けばいいのに」
「絶対混んでるもん」
こちらに顔を見せないっていうことは、一応気を遣って貰ってるのかな??
鷲掴みしてバリバリポップコーンを食べていると、ぱちんと軽快な音がして、君がごそごそ上着を羽織り始めた。
「お腹空いちゃった」
フリーダムで良いと思う。
食事は同じ館内にある、カツで有名なお店にした。
メニューを、さっきの映画を見ているときと同じくらいの真剣さで見詰め、何だかんだいいながら4種類のカツが食べられるセットメニューに決めた君。そんな君を見届けてから、最後の最後まで君が悩んでいた、季節の牡蠣フライが入ったメニューに決めた。
「いっこちょうだい?」
「はいはい」
やったーとわかりやすく喜び、お茶を飲みながらわくわく到着を待つ。本当、見ていて飽きない。
「お待たせ致しました、花御前のお客様」
「はぁい」
わくわくしながらも、ちゃんと二人分揃うまで待ってくれる。こういった少し割高なお店はそこら辺きちっとしているので、ほとんど間を置かず牡蠣フライもきた。
早速「いただきまーす」と届いたカツを頬張り、喜色満面! といった様子だ。
柚のドレッシングが君の手の向こう側に見えたので、取って貰う。君も興味を示し、まずは少しだけキャベツの山にたらしてみる。
ちょっと斜め上を見ながらもぐもぐと顎を動かし、何かに納得したように残りの山にもドレッシングをぶちまけた。
わかりやすすぎる行動に笑いの衝動が破裂しそうだったが、幸せそうな君の邪魔をするのも忍びないので、腹筋に力を込めて耐える。耐えてくれ、腹筋。
「私、冷たい野菜ってそんなに好きじゃないけどこれなら食べられるかも~」
それは本当に良かった。
お会計の時にやや揉めしたものの、そう言うことを好まない君のお陰でこちらが負担することに成功した。
引き下がった後、にっこり「ゴチソウサマでした」。好感度はうなぎ登りだ。
が、転んではタダでは起きない君のことを忘れていた。
「お買い物したい」
というお姫様に付き合い歩いていると、君がカラフルな看板を指さし「アイス~」の一言。ついでに満面の笑みも忘れずに。
……まだ食べるの……。
ここは私が払う! という君の押しに負け、クッキーやらナッツやら何だかんだ入った華やかなアイスを頼む。
カップにしてもらってふと横を見ると、キラキラした瞳で何故かチョコレートミントのみでトリプルコーンを注文している君の姿が目に入った。店員さんの何か言いたげな表情にちょっと同情した後は、笑いの発作を治めるのに苦心した。
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