色々
2010/11/06/Sat
「もうやめ……っ」
いつも通りの言葉なのに、何なんだろう、この違いは。
電流は極力抑え、きっと物足りないだろうくらいの強さにする。
蕩けきった瞳に理性はわずかしかなく、唇からは甘い吐息が漏れる。
愛おしくて愛おしくて、宝物に触れるように髪を撫でると、びっくりしたような顔をした。
「な、にが……何が?」
息が荒いため言葉になっていないが、言わんとしてることは分かる。何でいつもみたいに酷くしないのかと聞きたいんだろう。
もう、私にはそんなこと出来ないのに。
「氷河、好きだよ」
耳元で、精一杯の思いを込めて囁く。
熱い息に身を震わせた氷河が、困ったようにこちらを見やる。
「大好きだよ。大好き」
そのまますっと手をつなぐと、びくっと身体が跳ねた。
表情に浮かぶ……怯え。
心が軋む。好きな人にこんな顔をさせてしまう自分に、本当に悲しくなる。
気付かなかったふりをしながら、固まってしまった腕を撫でる。
今まできちん見たことなかったけど、結構しっかりとした手首。
ほっそりしている腕は、それでもきちんと筋張っていてしなやかな筋肉を感じさせる。
そうか、病気ばっかりして発育が遅いだけで、ちゃんと男なんだ。
手の甲にキスをすると、ふっと力を抜いた。
今まで押さえつけることしかしなかった、せめてもの贖罪に何度もキスを落とす。
戸惑ったように揺れながらも、怯えは依然消えていない。
あ、そうか。俺が攻めちゃうから駄目なのか。
降ってわいたような思いつきを、早速実行することにした。
不思議と、恐怖心はなかった。
……が、ものすごい羞恥はあった。
「えっと……」
そっと手を放して正座してみる。何故か。
「?」
理性を取り戻した(相変わらず冷めるのは早い)氷河も座り直す。
はだけたシャツとか、乱れたボトムとか、そのボトムの隙間からちらちら見えるものとかはすごく目の毒で、一瞬押し倒してぐちゃぐちゃにしたい衝動に駆られながらも必死で嗜虐心を押し込める。今は絶対に駄目だ。
「あの……」
顔が真っ赤になるのが分かる。緊張して喉がカラカラだ。
「す……好きにしていいから」
なんて言い草だ。発情して押し倒したのはこっちのくせに。
「……………はい?」
案の定、ぽかーんとした氷河から返ってきたのは一言だけ。
ほ、他に言い様はないのか自分。
「じゃなくて……」
「何、疲れたの?」
声までもう戻ってる……! あんなに時間をかけて解かしたのに!! もう素なの!? 早くない!?
じゃなくて。
「疲れたとはどういう意味でしょうか」
聞きたくない言葉が出てきそうで、顔を上げられない。今まで自分がしてきた仕打ちを思い出すと、好意的な言葉が返ってくるとは思えない。
「? 俺に勝手に動けって言ってるのかと思ったんだけど……」
照れもせず、嫌味でもなく、突き放した言い方をされた。
心臓がずきずきする。
駄目だ、これくらいで傷ついてちゃ。
失った信頼は取り戻すのに時間がかかるものだ。
「その、氷河とちゃんとしたセックスがしたい」
言えた。
いつも通りの言葉なのに、何なんだろう、この違いは。
電流は極力抑え、きっと物足りないだろうくらいの強さにする。
蕩けきった瞳に理性はわずかしかなく、唇からは甘い吐息が漏れる。
愛おしくて愛おしくて、宝物に触れるように髪を撫でると、びっくりしたような顔をした。
「な、にが……何が?」
息が荒いため言葉になっていないが、言わんとしてることは分かる。何でいつもみたいに酷くしないのかと聞きたいんだろう。
もう、私にはそんなこと出来ないのに。
「氷河、好きだよ」
耳元で、精一杯の思いを込めて囁く。
熱い息に身を震わせた氷河が、困ったようにこちらを見やる。
「大好きだよ。大好き」
そのまますっと手をつなぐと、びくっと身体が跳ねた。
表情に浮かぶ……怯え。
心が軋む。好きな人にこんな顔をさせてしまう自分に、本当に悲しくなる。
気付かなかったふりをしながら、固まってしまった腕を撫でる。
今まできちん見たことなかったけど、結構しっかりとした手首。
ほっそりしている腕は、それでもきちんと筋張っていてしなやかな筋肉を感じさせる。
そうか、病気ばっかりして発育が遅いだけで、ちゃんと男なんだ。
手の甲にキスをすると、ふっと力を抜いた。
今まで押さえつけることしかしなかった、せめてもの贖罪に何度もキスを落とす。
戸惑ったように揺れながらも、怯えは依然消えていない。
あ、そうか。俺が攻めちゃうから駄目なのか。
降ってわいたような思いつきを、早速実行することにした。
不思議と、恐怖心はなかった。
……が、ものすごい羞恥はあった。
「えっと……」
そっと手を放して正座してみる。何故か。
「?」
理性を取り戻した(相変わらず冷めるのは早い)氷河も座り直す。
はだけたシャツとか、乱れたボトムとか、そのボトムの隙間からちらちら見えるものとかはすごく目の毒で、一瞬押し倒してぐちゃぐちゃにしたい衝動に駆られながらも必死で嗜虐心を押し込める。今は絶対に駄目だ。
「あの……」
顔が真っ赤になるのが分かる。緊張して喉がカラカラだ。
「す……好きにしていいから」
なんて言い草だ。発情して押し倒したのはこっちのくせに。
「……………はい?」
案の定、ぽかーんとした氷河から返ってきたのは一言だけ。
ほ、他に言い様はないのか自分。
「じゃなくて……」
「何、疲れたの?」
声までもう戻ってる……! あんなに時間をかけて解かしたのに!! もう素なの!? 早くない!?
じゃなくて。
「疲れたとはどういう意味でしょうか」
聞きたくない言葉が出てきそうで、顔を上げられない。今まで自分がしてきた仕打ちを思い出すと、好意的な言葉が返ってくるとは思えない。
「? 俺に勝手に動けって言ってるのかと思ったんだけど……」
照れもせず、嫌味でもなく、突き放した言い方をされた。
心臓がずきずきする。
駄目だ、これくらいで傷ついてちゃ。
失った信頼は取り戻すのに時間がかかるものだ。
「その、氷河とちゃんとしたセックスがしたい」
言えた。
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