色々
2009/09/11/Fri
みんなぼくには分からないっていうけど、そんなことないと思うな。
だって、彼の音楽はとっても綺麗だから。
ぴく、と耳が跳ね上がった。
転げるように駆け出すと、案の定彼はおもちゃのピアノに向かって技巧を磨いていた。
その姿は何かを追い求める修道士のようでとっても敬虔なんだけど。
「やあ、シュローダー」
途端、ぴたりと止まる旋律。
「何しに来たんだ? ぼくは忙しい」
素っ気なく言い放つと、また旋律を奏で始める優美な指先。
でもぼくには分かる。さっきよりずいぶん音色が硬くなったね。
他のこと(つまり、ぼくのこと!)に意識が向いてるから、大好きなベートーベンに没頭し切れてないよ。
そんなとこもおかしくて、くすくす笑いながらいつものようにピアノに寄っかかる。
彼は一瞬目を上げてイヤな顔をするものの、指先は相変わらず止まらない。
すごい早さで音符が駆け抜けていく。
指先に摘んでみると気分が高揚してくるのがわかる。
最初は指で突っついて、だんだん手のひらで叩いて、気づけば一緒に踊り出していた。
このあたりで彼の我慢は限界。
「もぅ!」
ぷんぷん怒る彼に「ごめんごめん」なんて軽く謝っていると、漏れ出た音符に惹かれたのか、あの子がやってきた。
「やあ!」
「| | | | | |」
「一緒に踊ろうよ!」
「♪」
そうやって踊り出したぼくら二人を見て、彼は「もう……」とかため息をつきながら、大好きな曲の中から楽しい曲をピックアップして弾いてくれるんだ。
あの子の髪の毛がふわふわ揺れる。
彼ものってきたのか、金髪をさらさら揺らしながら旋律を奏でる。
楽しいなあ。
だって、彼の音楽はとっても綺麗だから。
ぴく、と耳が跳ね上がった。
転げるように駆け出すと、案の定彼はおもちゃのピアノに向かって技巧を磨いていた。
その姿は何かを追い求める修道士のようでとっても敬虔なんだけど。
「やあ、シュローダー」
途端、ぴたりと止まる旋律。
「何しに来たんだ? ぼくは忙しい」
素っ気なく言い放つと、また旋律を奏で始める優美な指先。
でもぼくには分かる。さっきよりずいぶん音色が硬くなったね。
他のこと(つまり、ぼくのこと!)に意識が向いてるから、大好きなベートーベンに没頭し切れてないよ。
そんなとこもおかしくて、くすくす笑いながらいつものようにピアノに寄っかかる。
彼は一瞬目を上げてイヤな顔をするものの、指先は相変わらず止まらない。
すごい早さで音符が駆け抜けていく。
指先に摘んでみると気分が高揚してくるのがわかる。
最初は指で突っついて、だんだん手のひらで叩いて、気づけば一緒に踊り出していた。
このあたりで彼の我慢は限界。
「もぅ!」
ぷんぷん怒る彼に「ごめんごめん」なんて軽く謝っていると、漏れ出た音符に惹かれたのか、あの子がやってきた。
「やあ!」
「| | | | | |」
「一緒に踊ろうよ!」
「♪」
そうやって踊り出したぼくら二人を見て、彼は「もう……」とかため息をつきながら、大好きな曲の中から楽しい曲をピックアップして弾いてくれるんだ。
あの子の髪の毛がふわふわ揺れる。
彼ものってきたのか、金髪をさらさら揺らしながら旋律を奏でる。
楽しいなあ。
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